目次
固定電話の種類をおさらいする連載企画ですが、2回目はデジタル回線についてです。ちょっと前までNTT東日本/西日本が切り替えを勧めていたISDN回線のことですね、これには、どのような特徴があるのでしょう。
インターネット接続と電話通信との両立が可能
一時期、NTT東日本/西日本が大々的に宣伝していたISDN回線は、実はアナログ回線の時に使っていた銅線を利用したサービスです。NTT東日本/西日本の電話局と自宅を結んでいる既存の銅線(アナログ電話回線)を使うので、ISDN回線へ変更する場合でも屋外工事が必要ありません。アナログの電話回線は音声が銅線を伝わっていくのですが、デジタルのISDN回線は音声を0と1というデジタル信号に変換し、その0と1の信号が銅線を伝わっていく仕組みです。この0と1の信号に変換すると、音声がきれいに聞こえる、より多くの情報を送ることができる(銅線1本で、2回線分が取れるため)という2つのメリットがあります。そして、2回線分が取れるということは電話回線とインターネット回線が両立できるというメリットがあります。
またISDN回線の場合は音声をデジタル化しているため、途中で盗聴しても人の声が聞こえないので、簡単には盗聴できないのもメリットとして大きいでしょう。
ターミナルアダプタが必要となる
と、色々なメリットを述べてきましたが、ISDN回線にはデメリットもあります。それはISDN回線の場合「ターミナルアダプター(TA)」(厳密にはDSU内蔵ターミナルアダプター)と呼ばれる機器を別途購入しなければならないという点です。この機器は音声をデジタル化したり、デジタル化されて送られてきた信号を音声に戻したりする装置と考えていいでしょう。そのため、自宅の壁(モジュラージャック)と電話機の間に接続して使います。モジュラージャックからTAに接続し、そのTAから電話機やPCへ接続します。電話機を複数使う場合、それぞれにTAが必要となります。そして、TAの設置自体は簡単なのですが、その設定やPC側の設定が少し難しいということがあります。設置したことがない場合は、NTT東日本/西日本の工事日前にTAを入手しておいて、説明書を熟読しておく必要があります。TAの設定が間違っていると、電話がかけられなかったり受けられなかったりことがあるので注意が必要です。
そして、これが最大のデメリットでもあるのですが、すでにISDN回線というのはインターネット接続としては過去のものになっており、通信速度は今のADSL回線や光ファイバー回線とは比べものにならないレベルであるということです。これからインターネット接続をしようとする人は、わざわざISDN回線を選ぶ必要はないでしょう。